国 2050年の主な絵姿 シナリオにおける数値
ドイツ
•2050年までに交通システムをほぼ脱炭素化
•電動モビリティの技術力強化
•計画的で統合的な都市開発により移動距離を縮小、カーシェアリングなどの新たな
サービスが環境配慮に貢献
部門排出量(80シナリオ):
1990年比▲81%
エネルギー消費量(同上):
2005年比59%
フランス
•燃費改善
•電動自動車、バイオ燃料、天然ガス自動車、バイオガスの普及支援
•都市計画やテレワーク等の交通需要抑制、積載・乗車効率向上、モーダルシフト
部門排出量:
2013年比▲70%以上
英国
• ほぼすべての乗用車・小型トラックがゼロエミッション(2040年までに従来型ガソリ
ン・ディーゼル車の新車販売終了)
•大型貨物車からの排出の大幅な削減
•短距離移動における徒歩・自転車の促進
部門排出量:
3MtCO2(電力経路)
5MtCO2(水素経路)
15MtCO2(排出除去経路)
カナダ • 乗用車の電気自動車化
• 貨物輸送では燃費改善や、バイオ燃料、天然ガス自動車の普及
(5つのシナリオごとに部門内
での分類が異なるため割愛)
米国
• 電化が困難な航空、船舶、長距離トラック等の燃費改善
• 電気自動車、燃料電池自動車、バイオ燃料等の拡大
• 大量輸送機関、ライドシェリング等による走行距離の縮小
直接化石燃料利用:
2005年比▲63%
車両全体の排出原単位:
2005年比▲86%以上
※ベンチマークシナリオ
日本
長期低炭
素ビジョン
• 乗用車ではモーター駆動の自動車が主流
• 貨物についても、距離の短縮化、物流の情報化等による効率的な低炭素物流
• 徒歩・自転車の活用や効率的な輸送手段の組み合わせ、公共交通の整備等
ドイツ Climate Action Plan 2050
概要
ドイツが長期的な気候変動対策戦略を実行するに当たっての基本方針であり、経済界、研究機関、
市民社会を含むすべての関係者に必要な方向性を示すもの。
各部門について、2050年のビジョンとともに、2030年のマイルストーン及び対策、2030年の部門別削
減目標を設定。各部門の2030年までの削減目標が確実に遂行されることを目指す。
地方自治体、経済団体、市民等、ステークホルダーとの対話集会を複数回実施。ステークホルダーの見
解をとりまとめた報告書に含まれる、計97の気候変動対策リストを踏まえる。
技術・社会変化、科学的知見の動向等を踏まえて、定期的な見直しを実施。
フランス国家低炭素戦略(SNBC)
根拠
法
「グリーン成長のためのエネルギー移行法(LTECV)」(2015年8月発効)第8編第173条に、エネ
ルギー移行を進める上での重要なツールとして、国家低炭素戦略(Stratégie nationale bas
carbone:SNBC)及びカーボンバジェットの制定が位置づけられている。
概要 GHG削減目標達成に向けた包括的枠組みと部門別の戦略であり、国、地域圏など公的意思決定者
に対し法的強制力を有する。
企業や世帯にとっては、削減目標の達成を促すためのツール(投資先決定に役立つ指針などの参考資
料となり得るもの)であり、法的拘束力はない。
2019年6月末、その後5年毎に、当該期間のカーボンバジェットの達成状況を踏まえ、SNBCのレビュー
が行われる。
英国 クリーン成長戦略(The Clean Growth Strategy)
概要 経済成長の拡大と排出量の削減をもたらす「グリーン成長」の加速化を目指した政策及び提案を包括
的に示したもの。2017年10月発表。
手頃な価格でのエネルギー供給を確保しつつクリーン成長を達成することは産業戦略の中心であり、生
産性を高め、良い雇用を創出し、全国の国民の収益力を増大させ、気候と環境の保護に役立つもの。
6つの部門ごとに野心的な目標、機会、政策及び提案等を整理。2050年80%削減を達成する3つの
シナリオ(電化経路、水素経路、排出除去経路)についてモデル分析を実施。
GDP当たり排出量の指標を用いて、毎年の進捗を評価。第6期カーボンバジェット決定(2021年)ま
でに、戦略の主要な項目を更新。
カナダ長期温室効果ガス低排出発展戦略
概要 2016年11月17日、カナダ政府は、「カナダ長期温室効果ガス低排出発展戦略(Canada’s Mid-Century Long-term LowGreenhouse Gas Development Strategy)」をUNFCCC事務局に提出。
パリ協定との整合を勘案し、2050年までにカナダの正味の温室効果ガス(GHG)排出量を2005年比で80%削減とする経路を検証。
本戦略は、特定の政策を記述するものではなく、GHG削減の潜在的機会、鍵となる新たな技術、排出削減が困難で政策介入が必要
な分野の特定等について記述するもの。大幅削減に向けて分野毎の課題と可能性を抽出することに重点。
削減目標
(現状)1990年613MtCO2換算/年、2013年731MtCO2換算/年
(目標)正味※のGHG排出量:2005年比2050年80%削減 ※ 国際的に取引可能なクレジット等による削減分も含む
米国 脱炭素に向けた長期戦略
概要 シナリオ分析により、2050年80%削減を達成する複数の道筋を提示することにより、道筋に関連する
重要なチャンスや困難を明らかにし、また複数のシナリオを通じてのロバストな見解に着目する。
温室効果ガス排出量を2050年までに80%以上(2005年度比)削減。正味排出量削減のため、
①低炭素なエネルギーシステムへの転換、②森林等やCO2除去技術を用いたCO2隔離、
③CO2以外の排出削減の3分野で取組を推進。
パリ協定に定める温室効果ガス実質排出ゼロに向けた世界の排出経路を示すほか、世界各国に2018
年までの長期戦略の提出や長期戦略の5年ごとの見直しを推奨
(参考)EU低炭素経済ロードマップ 2050
概要 2011年3月8日、欧州委員会は、EUが2050年までに低炭素経済に移行する道筋を描いた「低炭素経済ロードマップ2050
(Roadmap for Moving to a Competitive Low Carbon Economy in 2050)」を発表。
2050年までに温室効果ガス(GHG)を1990年比で80~95%削減するためのシナリオを提示。
2050年の目標達成に向けて、2030年に1990年比40%減、2040年に60%減が費用効率的な削減経路との結論。